オープンソースの住所正規化ライブラリです。
経産省の IMI コンポーネントツールのジオコーディングの仕組みからインスピレーションをうけて開発しました。
https://codepen.io/geolonia/pen/oNBrqzL
ライブラリは npm レジストリで @geolonia/normalize-japanese-addresses
として配布されています。
npm コマンドなどを使ってインストールして下さい。
$ npm install @geolonia/normalize-japanese-addresses -S
住所を正規化します。
const { normalize } = require('@geolonia/normalize-japanese-addresses')
normalize('北海道札幌市西区24-2-2-3-3').then(result => {
console.log(result); // {"pref": "北海道", "city": "札幌市西区", "town": "二十四軒二条二丁目", "addr": "3-3", "lat": 43.074273, "lng": 141.315099, "level"; 3}
})
住所の正規化結果として戻されるオブジェクトには、level
プロパティが含まれます。level
には、住所文字列のどこまでを判別できたかを以下の数値で格納しています。
0
- 都道府県も判別できなかった。1
- 都道府県まで判別できた。2
- 市区町村まで判別できた。3
- 町丁目まで判別できた。
例えば都道府県名のみを正規化したい場合、level
オプションで指定することで処理を速くすることができます。
const { normalize } = require('@geolonia/normalize-japanese-addresses')
normalize('北海道札幌市西区24-2-2-3-3', { level: 1 }).then(result => {
console.log(result); // {"pref": "北海道", "city": "", "town": "", "addr": "札幌市西区二十四軒二条二丁目3-3", "lat": null, "lng": null, "level"; 1}
})
以下のパラメーターを変更することでライブラリの動作全体に関わる設定が変更できます。
@geolonia/normalize-japanese-addresses は市区町村毎の最新の町丁目のデータを web API から取得し住所の正規化を行います。townCacheSize
オプションはキャッシュする市区町村の数を変更します。デフォルトは 1,000 件になっています。
町丁目データを配信する web API のエンドポイントを指定します。デフォルトは https://geolonia.github.io/japanese-addresses/api/ja
です。この API から配信されるデータのディレクトリ構成は Geolonia 住所データを参考にしてください。
このオプションに対して file://
形式の URL を指定することで、ローカルファイルとして保存したファイルを参照することができます。
# Geolonia 住所データのダウンロード
$ curl -sL https://github.com/geolonia/japanese-addresses/archive/refs/heads/master.tar.gz | tar xvfz -
const { config, normalize } = require('@geolonia/normalize-japanese-addresses')
config.japaneseAddressesApi = 'file:///path/to/japanese-addresses-master/api/ja'
(function(){
for (address of addresses) {
await normalize(address)
}
})()
XXX郡
などの郡の名前が省略されている住所に対しては、それを補完します。- 住所に含まれるアルファベットと数字を半角に統一します。
- 京都の通り名を削除します。
- 新字体と旧字体のゆらぎを吸収して、国交省の位置参照情報に記載されている地名にあわせます。
ヶケが
、ヵカか力
、之ノの
、ッツっつ
などのゆらぎを吸収して、国交省の位置参照情報に記載されている地名にあわせます。釜
と竈
、埠頭
とふ頭
などの漢字のゆらぎを吸収します。- 町丁目レベルに記載されている数字は、国交省の位置参照情報にあわせて、すべて漢数字に変換します。
- 番地や号レベルに記載されている数字はアラビア数字に変換し、
番地
などの文字列は-
に変換します。 - 住所の末尾に建物名がある場合は、なるべくなにもしないでそのまま返す仕様になっていますが、できればあらかじめ分離していただいたほうがいいかもしれません。
参考:
まず、以下のコマンドで環境を用意してください。
$ git clone git@github.com:geolonia/normalize-japanese-addresses.git
$ cd normalize-japanese-addresses
$ npm install
次に、以下を実行してコンパイルをおこないます。
$ npm run build
dist フォルダ以下に main-node.js など必要なファイルが生成されるので、
// sample.js
const { normalize } = require('./dist/main-node.js');
normalize('北海道札幌市西区24-2-2-3-3', { level: 3 }).then(result => {
console.log(result); // { "pref": "北海道", "city": "", "town": "", "addr": "札幌市西区二十四軒二条二丁目3-3", "level": 1 }
})
という内容で sample.js を用意したら、
$ node sample.js
でサンプルファイルを実行することができます。
- この正規化エンジンは、住所の「名寄せ」を目的としており、たとえば京都の「通り名」は削除します。
- 郵便や宅急便などに使用される住所としては、問題ないと考えています。
- この正規化エンジンは、町丁目及び小字レベルまでは対応していますが、それ以降については対応しておりません。
- 住居表示が未整備の地域については全体的に苦手です。
- ソースコードのライセンスは MIT ライセンスです。
- ご利用に際しましては、できればソーシャルでのシェア、Geolonia へのリンクの設置などをしていただけると、開発者たちのモチベーションが上がると思います。
住所の正規化を工夫すれば精度があがりそうなので、そのあたりのアイディアを募集しています。