音声 : https://soundcloud.com/cybozutech/tomio2480?in=cybozutech/sets/drifticecrossing
記事 : https://note.com/hiroko_kamata/n/nacb86381d9e0
西原: みなさまこんにちは、西原です。サイボウズ株式会社 開発本部にあります、コネクト支援チームというところに所属している者です。 この「流氷交差点」という名前からでは何をするかわからない音声コンテンツなんですけれども、これは私が気になったITコミュニティの方々にインタビューをして、いろんなコミュニティの現状を記録に残していきましょうというプロジェクトになります。私が、北海道出身かつ北海道歴が長いということで、北海道のITコミュニティを皮切りにやっていこうと計画しております。いずれインタビュー先のコミュニティも本州に渡り、それぞれの地域性を、感じたり感じなかったりしながら、聞いているみなさんが日本各地のITコミュニティに行きたくなって仕方がないという状況にできればと思っています。 さて、今回は#0と称してこれからどんなコンテンツをやっていこうとしているかがわかるように、私自身がインタビューされる形でコンテンツを用意しました。インタビュアーは同じくコネクト支援チーム所属の風穴さんにお願いいたしました。 テーマは私が東京都小平市でやっています、ITコミュニティ「Co-KoNPILe(ここんぱいる)」についてです。それではどうぞ。
風穴: じゃあ今日は記念すべき第0回。名前ないけどインタビュー始めます。ではよろしくお願いします。
西原: よろしくお願いします。
風穴: 今日のゲストはCo-KoNPILe(ここんぱいる)西原さんに来てもらっていまーす。ここでわーって音が入ったりして。
西原: にぎやかにね。
風穴: じゃぁさっそくですけど、Co-KoNPILe(ここんぱいる)について紹介してもらっていいですか?
西原: Co-KoNPILe(ここんぱいる)というのは、ちょっと名前もややこしいんですが、今自分が住んでいる東京都小平市というのはですね、隣に小金井市とかや国分寺市とかががあって、けっこうそこ(地域)を行き来して活動することが多くて、その「こ」のつく単語をということで「コンパイル」を持ってきて、まぁ共通のとか共同のとかコワーキングスペースと同じ意味で頭に「こ」を頭に持ってきて、ここんぱいるということになっているんですね。この小平市近辺でなんか適当に勉強会をするというコミュニティとして誕生して、今はオンラインなので公民館には行けてないですけど、Zoomで集まったりDiscordで集まったりして、ちょこちょこ発表会をしたりということをやったりしています。
風穴: 開催頻度はどれくらいですか?
西原: 今は茶の間ここんぱいるという自由な会をやっていてですね。それが2週間に1回。金曜日の夜。たまに昼間の会をやるという感じになっています。
風穴: なるほど。では昼やるときと夜やるときとでだいたい時間の流れとか、どんな感じでやっているか紹介してもらっていいですか?
西原: 昼は1時半から2時ぐらいに集まってそこから発表会をするというのが基本的な流れですね。で、人数足りないときはもくもく会にさっさと切り替えちゃうんですけど。なんせ公民館の予約は1時から5時しかできなくて。北海道のほうの公民館とかだとぶち抜きで借りれるんですけど。東京って絶対一回出なきゃいけないルールがあるらしくて。17時まで借りるという、そういうやり方でしか予約できなくて。せざるをえない。オンラインのときは関係ないんですけど。 茶の間ここんぱいるの時間は夜20時にスタートして、22時に中締めするんですけど、あとは好きにしなさいっていう。一応、終わりがあるというルールですね。
風穴: その発表というのは、LTみたいにやる感じなんですか?
西原: 昼間の会のときは5分、10分とか各自で時間決めて演る人がいるんですけど、夜は時間とかあまり決めないで、喋りたい人が、というのを(何を発表したいかというので)HackMDに書くんですけど。それの上のほうから順番に好きにしなさいという。 夜は自由に好きにしなさいという感じ。あれをLTというのかは微妙ですけど。はい。発表をやっている。
風穴: 発表する内容はどんな感じなんですか?
西原: もうね来た人が好きなことやっているから。ぼくは電子回路とかが好きなので、ハードウェアとか、コミュニティっぽいこと?運営みたいなことを発表したり。あるいはその、いつも来てくれている高校生は触ってみた系でC++でこんなゲームを作ったよとか。大人勢でも技術的なことを発表してくれる人はもちろんたくさん居るんですけど、たまには10何年履いた靴の修理してもらったとか、なんかよくわからない発表もあったり(笑)基本、ほぼNGなしという状況です。
風穴: では技術ネタに限らず、なんでも?
西原: なんでも。なんかその興味深い、モノに関するものであればOKという感じ。
風穴: 来る人ってどんな感じの人が多いですか?
西原: そうだな。今はわりと暇を持て余した大学生の子達とかオンラインで。もともと僕の知り合いが北海道に多いので、そっから来ることは多いですけど、オフラインでやれていた頃は、ギリギリ埼玉か東京かみたいなところから電車を乗り継いでやってきたりとか。近隣の小平の人たちも、もちろん2、3来てくれたりとか。あとその東京も小平市だとフラッと寄りづらいところなので。まだ遠くからの参加者ってそんなに居なかったんですけど、基本はその花小金井周辺とかに住んでる人たちですね。 エンジニアぽい人が多いですね。学生も技術勉強してきた人が多い感じですね。
風穴: 場所は具体的にどのへんになるんですか?オフラインでやっているときは。
西原: オフラインでやっているときは、小平のあそこは、市役所の向かいのところに中央公民館というのがあるんですけど、そこ、なんでかというとオンラインで予約ができる公民館で、けっこう夜遅くまでやっているんですよね。一応駅も・・・どこが近いんだっけあれ。あそこだと青梅街道なのかな一橋学園かな、西武新宿線・多摩湖線だったかな?駅から歩いても来れるので、そこでやることが多いのと。今コロナでちょっとなんかその行きづらくなっているんですけど、カメラ屋さんのカフェスペースというのがあって、あの、バスとかでしか行けないようなところにあるんですけど、6席ぐらい窓際にあって、1日1回200円払ったらいつまでも居てもいいという、コーヒー飲み放題みたいな・・・そういうカメラ屋さんがあるんですけど、写真屋さんじゃなくて。そこで2回〜3回やっていますね。夜19時まで使っていいので。オンラインはZoomとかね。
風穴: す、すみませんちょっとまってください確認させてください。カメラ屋なんですね。カメラ屋なのにカフェ・・・。笑
西原: いやあるんだよ。カメラのヤマヤというお店なんですけど。写真とかも撮ってるらしいんですが、ほんとカメラとか並んでるんですよね。なんかね、カフェスペースなんだけど壁とかもギャラリーで一週間2000円とかで貸してて。趣味でとかきれいな服きて写真撮るのが好きとか、写真好きで展示会をしたい人たちがそこ使うらしいんですね。カフェスペースはよくわからないんですが、我々が行くときはだいたい我々しか居ないんですど、たまに地域の人がふらっとやって来る。フリーWifiで、電源があって、お菓子も食べれるという。持ち込んでは駄目なんだけど、あるやつはいいと。なんかね、穴場っぽい。 コワーキングスペースを探したんですけど、小平市なんかあるんですけど、なくて。IT系の感じじゃなくて手芸とか、そういうのは行きづらくて。そういうのがなくてカメラやさんに電話したらいいよ、って、でそこ3回ぐらい使わせてもらっていますね。
風穴: 面白い。オンラインのときはZoomなんですか?
西原: いろいろ考えたんですけど、Zoomじゃないとアカウント作りたくない人居るかなと思って。DiscordですとかSlackだとか作らないといけないんですけど、アカウントなくても入れる間口の広さが必要だったなというので、Zoomになりました。
風穴: ちなみに Co-KoNPILe(ここんぱいる) っていつからやっているんですか?
西原: 2019年の12月ぐらいからだと思いますね。
風穴: おー、CoderDojo Kodaira がきっかけ?
西原: 初めてCoderDojo行ったのが、OSCに明星大学へ行ったら、とがぞのさんが居て、CoderDojo Kodairaです、え、ぼくも小平です、ってことで見に行って。 その時に、はじめて僕行ったんですけど。僕と同じく初めて来たのーり氏という高校生も居て。彼もいろんなことやってて。 CoderDojo来てる子でどんな事しているのかなって、彼にみんなどんなことやっているのって聞いたら、彼はめちゃくちゃJavaの勉強してるって、本がすげー擦り切れていて。えげつない勉強量だなって。 それで「スクレイピングしたいんです。」って言うもんだからびっくりして。最初、からこんなんいきなりふっかけられるとは思わなくて。こりゃすごいなと。 周りが小学生たちばかりで、その中で彼も発表するんですけど、今日はGithubにちょっとリポジトリあげてみました、とか小学生の前でやるんですよ。いいけど、レベル感がすげーなと。ちょっとぼくソフトの勉強会つくるから、そっちでまた発表しようか?という話をしたのがきっかけですね。
風穴: 西原さんがやりたくてやったというよりは、のーり氏のためにまずはやるかという。笑
西原: いやそう。いやあのね、実際自分がやりたい気持ちはあったんですけど、人どうやって来てもらおうかなとか、集めるだとかどうやってやろうかとか、知り合いいない状態で始めるのがしんどいなっていうのがあって。引っ越ししてからほんとしばらく・・・8ヶ月放置してたんですよね。勉強会できればいいなと思ってたんだけど、人がいないかもしれないと思って。そしたらのーり氏が現れて、なんかやらなきゃだめだなと思って。それで早速スタートして。
風穴: そういうのあるよね、そういうのいいよね。コミュニティって、自分で持っている想いだけではなかなか一歩踏み出せなくて。最初の一人が見つかると、いきなり動き出すっていうのは、けっこうあるよね。
西原: そうだと思いますよ。1人でも動くかもしれないですけど、2、3人いるとやっぱりうわーっといくのかなと。
風穴: 最初の1人、2人が見つかると、人が来なくてもその人1人は来る、1人、2人が来るってわかってるってだけでモチベーションになるよね。
西原: 最初自分ひとりのために公民館代払居続けるのはちょっとなーって、それを回避したいなーっていうのでできなかったんですよ。実際今は市民団体登録ができて、免除されてて、現在ゼロ円なんですよ。
風穴: なに、それ任意団体でもオッケーなんだ、すばらしい。
西原: OK。小金井、国分寺にも確認したんだけど、ここ在住あるいは勤務の人が何人以上というのがあって。国分寺とかでやろうとしても僕が小平市民だから結局人数としてカウントされなくて。住んでいる人が3人以上居て、かつ5人未満とかそういうルールがあって。確か小平だったら住んでる人が代表だったり住んでる人含めて全部で3人だったかな、小平だったらオッケーという。それでなんとかなった。
風穴: 面白い、なるほどね。ちなみに1年ちょっとですけど、トップニュースって3つあげるとしたら、どんな感じですか?
西原: 一番最初の会場、綺麗な会場だったんですけど、地下だったんですけど電波入らなくて。Wi-Fiもたいして飛んでなくて、地下で寒いとこで。
風穴: ネットワーク大事だ。
西原: 携帯電波入らないのはやばい、さすがに。テザリングでなんとかしようとしてもなんともならなくて。光は差し込んでるんですけど。全然駄目。 あとはそうだな。カフェ行ってからはけっこう面白い。いろんなところから人が来てくれて。もくもく会にしたんですけど、誰も黙らないというか、しゃべってて。好き勝手やってて。5人か6人の会だったんだけど。2グループぐらいに分かれて、あっちはVimのカスタマイズをやってて、こっちは自治体情報管理概要とかいう総務省の資料があって、それで市町村の情報端末の状態を見るとか。勝手にそうなったんですけど、こういうのもいいなって。 最後は、あとあれだな、オンラインでやりはじめたら岩手とか石川とか山口とか地方から集まりはじめて、過去と比べると3倍以上の15人参加というのが何回かあって。いまの茶の間ここんぱいるもそうなんだけど、なんでそんな人が来ているのかわからないんですけど。なんか自由なことしていますね。そのへんが印象深いかな。
風穴: なかなかすごいですよね。勉強会タイトルでなにするかわからないのに。
西原: なぜか来るんですよ。新しい人も来ちゃうんですよね。
風穴: すばらしい、自分以外で、今までゼロ人開催っていうのはないですか?
西原: Co-KoNPILe(ここんぱいる) は1回あったかな。2〜3人、が何回かやったら5人とか。あと2とかかな。僕だけの会は2020年の12月かな、そんなときはありましたね。
風穴: 誰かと約束してたら来なかったとか?
西原: そそそ、のーり氏ですね。試験前だから駄目ですって。テスト前だったから仕方ない。めちゃめちゃ換気しながら、一人で公民館満喫したというのがありましたね。最近の話でした。
風穴: ちなみに、その参考にしているコミュニティとかありますか?こういうふうにしたいなというか。自分が過去にやっていたのでもいいですし。
西原: 自分が過去にやっていた旭川の「ゆるい勉強会」の労力をかけないというのがポイント。あれは引き継いでいるかな。 富良野のFuraIT(ふらいと)のときは児童・生徒がやってきたので、成長の場となるようないろんな仕掛けをするように心がけていましたね。成長を阻害しない、余計なことを言わない、無駄に攻撃しないというのだけを守って自由に実験場にしてました。 Ohotech(おほてく) というのを北見でやってたころは、今の Co-KoNPILe(ここんぱいる) ではなかなか守れてないけど、地域のおやつを買ってくるというのをやっていた。懇親会もチェーン店には行かないという約束になってて、地域経済まわしましょうというのはあったんですね。今やれていないけど。ベースは自分がやっていたやつとかですかね。他にもコミュニティお邪魔してやっていいなと思ったのを取り入れたりしていますね。
風穴: ちなみに今西原さんが注目しているコミュニティとかありますか?
西原: そうだな、なんとなく昔からあるのでいけば、一回様子見てみたいというか雰囲気を感じてみたいと思うのが、福岡の「サト研」ですね。 あそこはちょっと行ってみたいですね。でも年に何回かしかやっていなくて。確か司会とかも最後に来た人がやるとか。話すことのテーマもホワイトボードに書いていってそこから選ぶらしく。ちょっと今やっている茶の間 Co-KoNPILe(ここんぱいる) と近いといえば近いかな。それよりももっとダイナミックにいろんなこと要求されるのかな。 学生のコミュニティも気になるけど、学生しか入れない。自分気になるんですけど。昔から気になっている「サト研」は学生も大人も入れるので気になるなぁって。
風穴: 最後に、Co-KoNPILe(ここんぱいる) をどうしていきたいというのはありますか?野望として1000人集めたいとか?わからないけど。
西原: そうだね、希望として、直近の課題としては、もうちょっとこの近辺の人に来てもらえるような活動をしたいというのはありますね。共通項として住んでいるところというのはでかいなと。それを小平的なとか国分寺的なところで感じられるメンツで作るというか。なかなかそれができていない。他の地域の人とやるときにそういう、小平近辺はこうだけど、あんたたちはこうだね、って隣町の雑談とかできるじゃないですか。IT系でもあるじゃないですか、こっちは Ruby でこっちは Python なんだって。それが今はちょっとできてないですね。
風穴: おもしろい、それいいですね。あの、学芸大もあるし、NICTもあるから、だれか居そうだけどね。それっぽい人が。
西原: 居そうなんですけどね。どういうふうに広げていったらいいか。北海道に居たときは市町村の面積が何十倍とかなんです。例えば旭川、といったら旭川が指す範囲ってものすごく広くていろんな人が気にしてくれて。しかも旭川の勉強会って一個しかないから、そもそも少ないから、もう飢えてやってくる人が多いんですよ。一方こっちは23区とかに行けばそんなんいっぱいあるしね、オンラインで YouTube 見ればいいじゃんて。飢えてないから、探してくれる人も居ないからこっちから探さないといけない。その難しさが北海道のときに比べると、実はこっちのほうが高いかなと思いますね。
風穴: 行こうと思えば電車乗って行けるからね。
西原: 向こうから来てくれたっていいとは思うんですけどね、数が多いのと、なにをやっているかわからない、空気で商売しているみたいな感じになっているから、口コミで伝えていかないといけないなって思いますね。
西原: ここまでお聴きくださりありがとうございます。コロナの直前に立ち上がって、コロナの最中でも活動していこうとする Co-KoNPILe(ここんぱいる) の現状についてでした。 私自身、過去10年近く北海道でITコミュニティをやってきましたが、北海道を出て東京都のこの多摩地区でコミュニティを始めるというのは、そもそもが新たな挑戦だったわけです。それに加えて、2020年からは図らずも新しいツールや手法を取り入れて行かざるを得ない状況が降ってきまして、今もまだ模索中です。現在 Co-KoNPILe(ここんぱいる) は隔週で金曜日の夜にオンラインで謎の会をしています。ぜひぜひお越しください。 今回の内容ですが、追って我々コネクト支援チームの note がございますので、そちらのマガジンにて文字情報にてこの情報を公開する予定であります。この内容を共有したいんだけれども、音声ではちょっと......という方にご活用いただけると幸いです。 以上、流氷交差点 #0 東京都小平市のITコミュニティ「Co-KoNPILe(ここんぱいる)」西原のインタビューでした。またの機会に。
この文字起こしは CC BY-SA で提供します.
これ以外のライセンスをご希望の場合は以下までお問い合わせください.
お問い合わせ先 : insideout{at}cybozu.co.jp ({at}→@ に読み替えてください)
担当:サイボウズ株式会社 開発本部 コネクト支援チーム 西原・風穴