- memory[meta header]
- std[meta namespace]
- function template[meta id-type]
- cpp11[meta cpp]
- cpp20deprecated[meta cpp]
- cpp26removed[meta cpp]
namespace std {
template <class T>
shared_ptr<T> atomic_exchange(shared_ptr<T>* p, shared_ptr<T> r);
}
この関数は、C++20から非推奨となり、C++26で削除された。アトミックアクセスの対象としているshared_ptr
をshared_ptr
に対するatomic
特殊化で置き換えることで同等の機能を使用できる。
shared_ptr
オブジェクトを、アトミックに入れ替える。
p != nullptr
であること。
atomic_exchange_explicit(p, r, memory_order_seq_cst)
- atomic_exchange_explicit[link atomic_load_explicit.md]
- memory_order_seq_cst[link /reference/atomic/memory_order.md]
投げない
この関数はフリー関数であるため、この関数によってアトミックにアクセスする対象となるshared_ptr
オブジェクトそのものはどこかに配置されている非アトミックオブジェクトである。そのため、アトミックアクセスしたい文脈の外側から通常のアクセスが可能であり、もし別のスレッドからそのようなアクセスが行われているとこの関数を用いていてもデータ競合を引き起こし未定義動作となる。
すなわち、アトミックにアクセスしたいshared_ptr
オブジェクトに対する全てのアクセスをプログラマがきちんと管理しなければこの関数の使用は安全ではなく、それはかなり困難であったためこの関数は危険な利用がデフォルトとなっていた。
そのため、この関数(とそのファミリ)は非推奨とされ、代わりにshared_ptr
に対するatomic
特殊化が追加された。shared_ptr
に対するatomic
特殊化を利用すれば、アトミックにアクセスする対象となるshared_ptr
オブジェクトそのものをアトミックオブジェクトとすることができるため、どこからアクセスしたとしても全てのアクセスは自動的にアトミックアクセスとなり、前述の問題は回避できる。
この関数からshared_ptr
に対するatomic
特殊化に移行する場合は、元のコードでアトミックアクセス対象となっていたshared_ptr
オブジェクトの型をstd::atomic<std::shared_ptr>
に変更することで移行でき、その場合はatomic
のために用意されているフリー関数が代わりに使用される(宣言されているヘッダが異なるため、<atomic>
ヘッダのインクルードが必要となるかもしれない)。
#include <iostream>
#include <memory>
int main()
{
std::shared_ptr<int> a(new int(1));
std::shared_ptr<int> b(new int(2));
std::shared_ptr<int> prev_state = std::atomic_exchange(&a, b);
std::cout << *a << std::endl;
std::cout << *prev_state << std::endl;
}
- std::atomic_exchange[color ff0000]
2
1
- C++11
- Clang: 3.3 [mark verified]
- GCC: 5.0 [mark verified]
- ICC: ??
- Visual C++: 2012 [mark verified], 2013 [mark verified]