- cfloat[meta header]
- [mathjax enable]
<cfloat>
ヘッダでは、浮動小数点数に関連する定数値マクロを定義する。これは、C言語の標準ライブラリ<float.h>
と同じである。
本ヘッダはフリースタンディング環境でも提供される。
浮動小数点数
各パラメータは以下の通り。
浮動小数点型で表される値としては、ゼロと
NaN とは非数(Not-a-Number)を表し、ほとんど全ての演算で浮動小数点例外を起こさず結果に伝播する quiet NaN(quiet:静かな)と、演算のオペランドに使用されると浮動小数点例外を引き起こす signaling NaN(signaling:信号を発する)がある。
ゼロと浮動小数点数ではない値(無限大や NaN 等)には符号があるかもしれない(実装によっては無いかもしれない)。
本ヘッダで提供される整数値を表すマクロは、FLT_ROUNDS
を除いて #if
プリプロセッサディレクティブに使用可能な定数式である。
マクロ | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
FLT_ROUNDS |
浮動小数点加算の丸めモード |
マクロ | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
FLT_RADIX |
指数表現の基数。 上記モデルでは、$b$ |
マクロ | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
FLT_EVAL_METHOD |
浮動小数点数がどのように評価されるかを表す整数値 | C++11 |
マクロ | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
FLT_DIG |
float で正確に表現可能な10進数の最大の桁数。上記モデルでは、$b$ が |
|
DBL_DIG |
double で正確に表現可能な10進数の最大の桁数。上記モデルでは、$b$ が |
|
LDBL_DIG |
long double で正確に表現可能な10進数の最大の桁数。上記モデルでは、$b$ が |
|
FLT_DECIMAL_DIG |
float の数値を10進数で正確に表すのに必要な有効数字の桁数。上記モデルでは、$b$ が |
C++17 |
DBL_DECIMAL_DIG |
double の数値を10進数で正確に表すのに必要な有効数字の桁数。上記モデルでは、$b$ が |
C++17 |
LDBL_DECIMAL_DIG |
long double の数値を10進数で正確に表すのに必要な有効数字の桁数。上記モデルでは、$b$ が |
C++17 |
DECIMAL_DIG |
精度が一番高い浮動小数点型の数値を10進数で正確に表すのに必要な有効数字の桁数。 上記モデルでは、$p_{\rm max}$ を精度が一番高い浮動小数点型の |
C++11 |
FLT_MANT_DIG |
float を基数 FLT_RADIX で表現した際の仮数部の桁数。上記モデルでは、$p$ |
|
DBL_MANT_DIG |
double を基数 FLT_RADIX で表現した際の仮数部の桁数。上記モデルでは、$p$ |
|
LDBL_MANT_DIG |
long double を基数 FLT_RADIX で表現した際の仮数部の桁数。上記モデルでは、$p$ |
マクロ | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
FLT_EPSILON |
float における、$1$ と 上記モデルでは、$b^{1-p}$ |
|
DBL_EPSILON |
double における、$1$ と 上記モデルでは、$b^{1-p}$ |
|
LDBL_EPSILON |
long double における、$1$ と 上記モデルでは、$b^{1-p}$ |
マクロ | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
FLT_HAS_SUBNORM |
float における非正規化数のサポート状況を判定する |
C++17 |
DBL_HAS_SUBNORM |
double における非正規化数のサポート状況を判定する |
C++17 |
LDBL_HAS_SUBNORM |
long double における非正規化数のサポート状況を判定する |
C++17 |
マクロ | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
FLT_MAX |
float の最大の有限値。上記モデルでは、$(1-b^{-p})b^{e_{\rm max}}$ |
|
DBL_MAX |
double の最大の有限値。上記モデルでは、$(1-b^{-p})b^{e_{\rm max}}$ |
|
LDBL_MAX |
long double の最大の有限値。上記モデルでは、$(1-b^{-p})b^{e_{\rm max}}$ |
|
FLT_MAX_10_EXP |
float の有限の値として表現可能であるような、最大の整数値 上記モデルでは、$\lfloor\log_{10} ((1-b^{-p})b^{e_{\rm max}})\rfloor$ |
|
DBL_MAX_10_EXP |
double の有限の値として表現可能であるような、最大の整数値 上記モデルでは、$\lfloor\log_{10} ((1-b^{-p})b^{e_{\rm max}})\rfloor$ |
|
LDBL_MAX_10_EXP |
long double の有限の値として表現可能であるような、最大の整数値 上記モデルでは、$\lfloor\log_{10} ((1-b^{-p})b^{e_{\rm max}})\rfloor$ |
|
FLT_MAX_EXP |
FLT_RADIX の float の有限の値として表現可能であるような、最大の整数値 上記モデルでは、$e_{\rm max}$ |
|
DBL_MAX_EXP |
FLT_RADIX の double の有限の値として表現可能であるような、最大の整数値 上記モデルでは、$e_{\rm max}$ |
|
LDBL_MAX_EXP |
FLT_RADIX の long double の有限の値として表現可能であるような、最大の整数値 上記モデルでは、$e_{\rm max}$ |
マクロ | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
FLT_MIN |
float の正の正規化数のうち最小のもの。上記モデルでは、$b^{e_{\rm min} - 1}$ |
|
DBL_MIN |
double の正の正規化数のうち最小のもの。上記モデルでは、$b^{e_{\rm min} - 1}$ |
|
LDBL_MIN |
long double の正の正規化数のうち最小のもの。上記モデルでは、$b^{e_{\rm min} - 1}$ |
|
FLT_TRUE_MIN |
float の正の最小値 |
C++17 |
DBL_TRUE_MIN |
double の正の最小値 |
C++17 |
LDBL_TRUE_MIN |
long double の正の最小値 |
C++17 |
FLT_MIN_10_EXP |
float の正の正規化数であるような最小の負の整数値 上記モデルでは、$\lceil\log_{10} b^{e_{\rm min} - 1}\rceil$ |
|
DBL_MIN_10_EXP |
double の正の正規化数であるような最小の負の整数値 上記モデルでは、$\lceil\log_{10} b^{e_{\rm min} - 1}\rceil$ |
|
LDBL_MIN_10_EXP |
long double の正の正規化数であるような最小の負の整数値 上記モデルでは、$\lceil\log_{10} b^{e_{\rm min} - 1}\rceil$ |
|
FLT_MIN_EXP |
FLT_RADIX の float の正規化数として表現可能な最小の負の整数値 上記モデルでは、$e_{\rm min}$ |
|
DBL_MIN_EXP |
FLT_RADIX の double の正規化数として表現可能な最小の負の整数値 上記モデルでは、$e_{\rm min}$ |
|
LDBL_MIN_EXP |
FLT_RADIX の long double の正規化数として表現可能な最小の負の整数値 上記モデルでは、$e_{\rm min}$ |